- ホーム
- 鍵屋さんの防犯コラム
- 焼き破りと防犯対策について
焼き破りの手口と対策について解説
窓から侵入する手口として「焼き破り」というものがあります。
あなたはどのような手口なのか知っていますか?知らない・対策をしていない方は空き巣の被害に遭いやすくなってしまうかもしれません。
ここでは焼き破りの手口と対策について解説しています。手口を知って、適切な対策を講じることが大切ですので、ぜひ最後までご覧ください。
焼き破りとは?
焼き破りとは、窓ガラスにガスバーナーなどで熱を加えて割る手口です。「焼切り」とも言われています。
手口は簡単で、窓ガラスの一点に熱を加えるだけです。熱した部分に水などを当てて、温度差で割る方法もあります。
小さな穴やヒビが窓ガラスに入ると、手やドライバーで押してガラスを脱落させ、そこから鍵を解錠して窓を開けるのです。
焼き破りの原理
通常のガラスの耐熱温度は400~500℃とされています。それに対し、ライターは800~1000℃、ガスバーナーは1700℃ほどの温度まで出力が可能です。
耐熱温度を超えたガラスは割れたり、溶けたりするので、それを利用して侵入します。
ガラスは温度差でも割れる
ガラスを熱すると熱膨張を起こし、広がる力を熱していない部分に与えます。
それに対し、熱していない部分は膨張に合わせてガラスを押し広げる力が発生します。
この不均一な状態に耐えられる許容範囲を超えると、ガラスが割れるのです。
400~500℃まで熱するのに時間がかかる場合は、水などで温度差を作りだしてガラスを焼き破ります。
焼き破りの件数
焼き破りによる侵入窃盗の認知件数は年々減っています。侵入窃盗自体の件数が2016年と2020年では4~5割ほど減少しているので、その部分も減少の要因です。
2020年では焼き破りの件数が497でした。これはピッキングやサムターン回しよりもはるかに多いため、依然として対策が必要だと考えられます。
焼き破りが使われる理由
なぜ焼き破りという手口が使われるのでしょうか?空き巣からみたメリットをご紹介します。
すぐに窓ガラスを割ることができる
焼き破りによって窓ガラスを割るのに1分もかかりません。警備会社の到着平均時間が5~15分とされているので、家の中を物色する時間を多く確保することができます。
また、周囲から犯行の様子を見られる時間が少ないので、警察に通報される前に空き巣を完了させることも可能です。
大きな音が出ない
ガスバーナーなどで火をガラスに当てるため、衝撃音があまり発生しません。また、小さな穴やヒビが入る程度なので、割れた時の音も小さいです。
これなら周囲の人はもちろん、家の中にいる人にも気づかれずに侵入することができます。犯行が見つかるリスクが少ないので、焼き破りは空き巣にとって好都合です。
技術が必要なくて簡単
焼き破りは、ガスバーナーで窓ガラスを熱するだけなので、特別な技術は必要ありません。また、鍵の近くを焼くだけなので、計算などしてなくても窓ガラスを割ることができます。
初めて空き巣を行うような人でも簡単に侵入できるので、使われることが多いです。
道具が手に入りやすい
焼き破りに必要な道具はガスバーナーやライター、水くらいなので、誰でも簡単に用意することができます。しかも、購入しても怪しまれることはありません。
また、隠し持っていても言い訳ができるので、警察に怪しまれる可能性も低いです。
防犯対策が必須ですのでお困りの方は是非、カギのサポートへご相談ください。
焼き破りに遭いやすい窓の種類
耐火性に優れていない窓は焼き破りに弱いため、侵入場所として使われやすいです。
では、どのような窓が狙われるのか解説します。
普通の窓
一般的に使われる窓は焼き破りのターゲットになりやすいです。熱するだけで割れますし、温度差にも弱いので簡単に侵入されてしまいます。
普通の窓を何も対策せずに使用している場合は、焼き破りやそれ以外の被害を防ぐことができません。
ペアガラス
ガラスが2重なっていて、その間に中空層がある窓です。防音や結露防止などの効果があります。しかし、ガラス自体に防犯性能はないので、焼き破りによる侵入が簡単です。
2枚ガラスがあるとしても、1分も経たないうちに窓を開けられてしまいます。ただし、中空層に特殊中間膜がある場合は別です。
網入りガラスは、耐熱性はあるが割れやすい
耐火性に優れた網入りガラスは、熱を与えられてもヒビが入るだけで、脱落しないことが多いです。
しかし、衝撃には弱いので防犯性には優れていません。ヒビが入った部分は脆く、そこから穴を開けて侵入される可能性があります。
また、網入りガラスは通常のガラスよりも温度差に弱いため、温度差を利用した焼き破りには弱いです。
焼き破りに有効な対策
空き巣にとって都合の良い侵入方法である焼き破り。
それを防ぐにはどのような対策が有効なのでしょうか?
防犯フィルムを貼る
防犯フィルムを貼ることで、ガラスが割れても脱落しにくくなり、穴を開けるのに相当な時間がかかります。衝撃による破壊はもちろん、加熱や温度差に対しても効果を発揮するので、焼き破りを防ぐことが可能です。
防犯フィルムはCPマークのついたものを認定の業者が窓全体に貼ることで最大限の効果を発揮します。
窓のこじ開けや叩き割りなど他の手口も防ぐことができるので、焼き破り以外も防ぎたい方はぜひ防犯フィルムを貼ってみてください。
カギのサポートでも防犯フィルムの対応を行っておりますので是非ご相談ください。
窓用の補助錠を付ける
焼き破りは鍵の近くに攻撃をして、開いた穴から手などで解錠して窓を開けます。
窓用の補助錠が付いていると、その近くにも穴を開けなければいけません。 穴を開ける時間と手間をかけることができるので、犯行を諦める確率が高まります。
また、鍵機能付きのものにすれば、無理やり外さない限り窓が開かなくなるので、より高い防犯性を手に入れることが可能です。
窓の鍵の見直しをお考えの方は是非当社にご相談ください。
窓用の防犯アラームを取り付ける
焼き破りは割れた時の音が小さいので、犯行に気付きにくいという特徴があります。犯行にいち早く気付くためにも、窓用の防犯アラームを取り付けましょう。
窓ガラスが割られたり、開けられたりするとアラームが作動するので、焼き破り中や侵入直前に犯行を察知することが可能です。
直接的に空き巣をブロックできるわけではないので、他の対策と組み合わせるとより高い効果を発揮します。
防犯ガラスに交換する
網入りガラスにフィルムを貼ると、ガラスが自然に割れやすいです。また、強化ガラスに防犯フィルムを貼っても、効果を十分に発揮できないとされています。
そのような窓は防犯ガラスに交換するのが効果的です。防犯ガラスは防犯フィルムと同等の効果を得ることができるので、焼き破りや他の侵入手口を防ぐことができます。
防犯フィルムを貼るか、防犯ガラスに交換するかは専門業者と相談し、予算や納期などを検討した上で判断することが大切です。
シャッターでブロックする
そもそも窓ガラスに近づけなければ、焼き破りの被害には遭いません。そこで有効なのが鍵付きのシャッターです。
シャッターをこじ開けなければ窓に到達することができないので、空き巣に手間と時間をかけさせることができます。
窓ガラスに近づけないだけでなく、室内の様子を見ることができないので、プライベート空間の確保にも役立つ一石二鳥の対策です。
監視カメラで証拠と抑止力を得る
もし、空き巣被害に遭ったとしても、証拠によって犯人逮捕に至れば、盗まれたものが返ってくる可能性があります。
死角になりやすい場所や侵入しやすそうな窓が映る場所に監視カメラを付け、証拠を集めるようにしましょう。未遂に終わっても、住居侵入などで捕まえることができるかもしれません。
また、空き巣によっては監視カメラを嫌うものもいるので、侵入を諦める抑止力になることがあります。監視カメラは直接的に空き巣を防いではくれませんので、他の対策も怠らないようにしましょう。